ここ数年、熱病のように何度も考えてきた、愛車Escape R3のドロップハンドル化についに着手した。人気車ゆえに、これまでにも何人も同じことに挑戦し、本体価格以上の費用をつぎ込んでドロップハンドル化を達成してきたわけだが、自分はデフォルトのパーツを生かしつつ、現実的かつ、無理のない改造をしたかった。
ドロップハンドル化(通称、ドロハン化)において、最もカギとなるのは変速・ブレーキシステムである。一番、肝心のハンドルについては、実はステムを交換しなくても、ハンドルだけ買ってきて置き換えることは可能なのだ。これまで改造を行ってきた人たちを悩ませてきたのは、ハンドルではなく、そのハンドル形状に由来する変速・ブレーキシステムの変更なのである。
問題点を整理すると、以下のようになる。
A. ドロップハンドルにおいて一般的な変速・ブレーキシステムはSTI(
Shimano
Total
Integration)であるが、これは通常、Escape R3に元々装備されているVブレーキに対応していない(Vブレーキの可動量が足りない)。
B. Aと同様にSTIは元々の装備である変速機に対応していない。
すなわち、Escapeはクロスバイクであり、MTBとロードレーサーの中間と位置付けられてはいるが、元来の装備はMTBのそれであり、ロードレーサーを前提としたドロップハンドルのパーツとは本来互換性がないのである。これに対して、これまでの改造は以下のような方策をとってきた。コストを昇順に並べると以下のようになる。(カッコ内は主に必要となるパーツ。)
1. ドロップハンドルに置換し、ブレーキ、グリップシフトをそのまま付ける。
(ドロップハンドル、ステム)
2. ドロップハンドルに置換し、シフターをバーエンドシフター、ブレーキをVブレーキ対応のレバーにする。
(ドロップハンドル、ステム、Wレバー、ブレーキレバー)
3. ドロップハンドルに置換し、Vブレーキのまま、シフター・ブレーキをSTIにする。
(ドロップハンドル、ステム、STI、クランク、BB、フロントディレーラー、スプロケット、リアディレーラー、(場合によっては、トラベルエージェント))
4. ドロップハンドルに置換し、さらにブレーキをカンチまたは、キャリパーに変更し、STIにする。
(ドロップハンドル、ステム、STI、クランク、BB、フロントディレーラー、スプロケット、リアディレーラー、ブレーキ(キャリパーの場合はフロントフォークを換えるあるいは、Escapeに付いているほぞ穴に無理やりつける))
値段については、交換部品が増えることからも分かるように、1から4の順に高くなる。4に至っては、おそらく入門グレードの完成車が買えるぐらいになっていると思われる。改造自体は楽しい行為だと思うが、正直、自分ならここまでするなら、完成車を買う。
しかしながら、改造した人たちのEscapeに対する愛着のようなものには、大いに共感するものがある。それに、新しい自転車を買うとして、Escapeを乗らなくなるのは、実際もったいない。そこで、今回は、コストを抑えて、安全性、性能を犠牲にせずにドロップハンドル化を試みた。
用いた方法の概要は一言、レトロシフトを使ったというところにある。このパーツ一つでシフターとブレーキのパーツ互換性が解決してしまうのである。
購入したものは以下のもの。価格は、
Cycle Shop Grumpy(1)、
Amazon
(8と9)、
ちゃりんこ王国楽天市場店(2,3,4,5,6,7)でそれぞれ購入した際の価格である。Amazonは例外的だが、こういうものは一括で注文しないと、送料がかさむので一度に注文したいところだったが、レトロシフトは取り扱うショップが少なかったので、唯一単品で注文した。ただし、この中ではやはり一番高額なのものなので、送料は無料であった。
1.
Retroshift CXVn CX2n フロントW シフターなし Vブレーキ対応モデル ¥13,800
2.
FSA OMEGA PSH コンパクト ¥2,970
3.
PROFILEDESIGN シュレッドレスステム 31.8 ブラック 83x80mm ¥3,240
4.
ダイアコンペ Wシフター グランコンペ \3,320
5.
ダイアコンペ トップキャップ アヘッド用 \290
6.
PROMAX ヘッドスペーサー 各種 {合計 42mm (10mm*2+5mm*2+3mm*2+2mm*3)}合計 \890
7.
DEDA バーテープ Btape28 bn \750
8.
SHIMANO ROAD SUSブレーキCBLセット
\1,630
9.
SHIMANO OT-SP40 ロードシフトケーブルセット
\645
部品は合計で\27,535であった。また、このシステムの素晴らしいところは、将来的にFD、RD、BB、クランクなどを組み替えても、シフターはフリクション(無段階)なのでそのまま使用可能なのだ。
組み付けについては、省略する。ステムごとバーハンドルを取り外し、シフター、ブレーキもケーブルごと取り去り、それを新しいステムとドロップハンドル、レトロシフトで置換し、ケーブルを新しくするのみ。FD、RDは可動域をすでに調整しているので、ほぼ無調整でWシフターが機能した。
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| レトロシフト(CXVn CX2n Gray)。包装はこれだけ。非常にシンプルだが、いかにも小さなガレージカンパニーが作っている感じが出ていて良い。 |
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| 実写に組み付けたレトロシフトとダイヤコンペのWレバー。 |
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| 完成したEscape R3 Retroshift ver. |
黒と白のいかにもチープな感じのする自転車だが、機能としては申し分なく、派手なロードバイクよりも自分はこちらの方が好きだ。何より、5年目に突入するEscape R3 (2009)に快適に、楽しく乗り続けられることが嬉しい。